家族の会話が増える家づくり
先回までのブログで、8回にわたり実践プランニングをお話ししてきましたが
なかなか表現が難しく、お伝えしにくいのがわかってきましたので、一旦、初心に帰ろうかと思います。
僭越ではございますが、私の著書「家族の会話が増える家づくり」を掲載させて頂きます。
-はじめに-
私がこの本を書いた理由は3つあります。
一つ目の理由は、私の家づくりの知識と経験を、これから家づくりの仕事を担う若い世代に引き継いでほしいから。
この小冊子は私一人の力で書いたものではありません。
ご指導いただいた多くの先生、諸先輩そして800~1000組以上の施主様の賜物です。
皆さんから授かった知識を、私の中に留めるのではなく若い人たちに伝えていきたかったのです。
二つ目は自分自身のため。
高校、大学で建築を学び、数寄屋住宅を作る会社、ローコスト住宅を作る会社での勤務を経て、38歳で独立しました。
建築に携わって43年になり、その区切りとして、この冊子を書くことにしました。
これまでに自邸を含め1000組以上に及ぶご家族の家づくりをお手伝いしてきました。
この冊子に書かれていることはすべて、家づくりの現場を通して経験したことが基礎になっています。
これまでの43年を振り返りまとめる作業は、とても貴重な時間でした。
私がこれからも家づくりの仕事を続けていく上で、とても大切な一冊となりました。
最後の理由は、ある60代の施主様の言葉でした。
「私は30年前に大手ハウスメーカーで家を建てた。それは今でも公開していない。
でもあの時にあなたのような考え方で家づくりをしていたら、全然違う家になっていたと思う。
これから家づくりを始める人の参考になるから、一冊にまとめてみたら」
施主様のこの一言は、私の背中を押す大きな力になりました。
家を新築するには、多くのお金とエネルギーが必要です。
一度建てた家は、車のように簡単に買い替えることができません。
どんな家を建てるかで人生も変わってしまいます。
だから家づくりは失敗できません。もし、これから家を作る方に少しでも参考になるのなら。
その思いが、この小冊子を書いた最後の理由です。
この冊子の後半部分では、住宅における「ゆるやか階段」推奨の理論を述べています。
是非参考にしてください。
長い前置きになってしまいました。さて、これから私の家づくりのお話を始めます。