理想の階段の科学的根拠3/3
以上から求められた階段の府水ら蹴上げの組み合わせによる必要最低条件は40度となるが、
これは住宅等の階段にかかる一般的な勾配より緩やかであって、
現実的でないきらいがある。そこで勾配の大きい階段を設計する際には、
階段手すりを付けることが妥協手段の一つであると考え、
これによって階段の有効幅員が狭くなることの問題点を検討した。
すなわち、荷物を携帯した場合の昇降実験を行い、この実験の範囲内では、
幅員750ミリメートルの壁面間寸法を確保した階段では、手摺りをその内側に設置しても
その使用にはほとんど影響しない結果を得た。
これらの検討結果をまとめることにより、階段使用時の安全性を確保するために
採用すべき現実的な条件を明らかにした。(以上、論文文章引用)
今後の日本を、活力ある高齢化社会にするためになされていた研究ではないのかと思えてきました。
一般ユーザーのあなたから住宅階段の基準を変えていくための人間工学研究は、
37年前の1986年に建設省(現国交省)建築研究所で行われていたのです。
是非、頑なな建築屋さん、大工さん、設計士さんに、自信をもってゆるやか階段を
発注しようではありませんか・・(^^)/