我が家の階段を緩やかにしよう!2/3
最後に師匠だった、住宅職人 冨田辰雄先生のお言葉を紹介します。
住宅の相談に来られた人に、必ず質問することの一つに次のようなものがあります。
お客様は、生涯健康体で介護されたり、家族に迷惑かけたりすることなく、
生き続けられる仕組みを住宅に求めますか?
それとも老人になったときに、障碍者や認知症になることを予想した仕組みを求めますか?
この質問に対して圧倒的に多い答えは、もちろん前者です。
つまり、どなたも健康寿命を望み、住宅にはそれを実現するための仕組みがあることを
望んでいることがわかります。
ところが現代の住宅産業は、一部の寝たきり老人や障害者だけを対象とした高齢者住宅を考え出し、
バリヤフリーという言葉で表現されるようになりました。
つまり障害物を取り除くことによって老人に楽をさせ、
体力も気力も注意力も減退させるようなシステムを推奨しているのです。
それが老人に対する思いやりであり、やがて来る老齢期への対策であると単純に考えています。